社会規範と市場規範

社会規範と市場規範

人が物事を判断するうえで社会規範と市場規範という二つのルールが世の中には存在していて、このルールは気付かないうちにあなたの判断にも影響しています。

ダン・アリエリー(心理学・行動経済学の教授)の著書「予想どおりに不合理」にその旨が記述されています。彼はデューク大学で教鞭をとっており、TEDで行ったプレゼンテーションの動画は、780万回以上も閲覧されるほどの人物です。

Wikipedia:ダン・アリエリー

社会規範・市場規範を理解することで、人間の行動心理を学びサービスの改善に役立てることができると思います。

社会規範、市場規範とは

社会規範:社会的なつながりを基にした価値判断
市場規範:金銭的なつながりを基にした価値判断

端的に説明すると上記のようになるのですが、これだと少しふわっとしているので例を踏まえて社会規範・市場規範を説明します。

例①:弁護士協会への依頼

定年退職した人のためにアメリカの退職者協会が弁護士協会に対し、1時間3千円で退職者の相談にのってくれないかと依頼したところ、多くの弁護士はこの依頼を断りました。ただ、報酬ゼロでお願いをした弁護士はギャラを払う依頼の時に比べ、多くの人が依頼を引き受けました。

ギャラが発生する依頼の場合、市場規範が働き弁護士は自分が1時間3千円で仕事をするのは安いと判断し、断りました。
ギャラが発生しない場合、社会規範が適用され、上記より多くの人が依頼を受けました。

例②:道ゆく人への依頼

道ゆく人に、階段の上まで荷物を運んでくれないかという依頼をしたとします。市場規範が適用される依頼は「200円払うから、階段の上まで荷物を運んでくれないか」、社会規範が適用される依頼は「階段の上まで荷物を運んでくれないか」という形になります。
上記の二つの依頼方法で試したところ、社会規範が適用された依頼方法の方が引き受ける人が多いという結果になりました。

例①、例②ともに金銭的に考えると、0円 or 3,000円、0円 or 200円と市場規範が働く依頼の方が、得なのは明確なのですが、0円の場合市場規範ではなく社会規範が働くため0円の方が多くなるという結果になります。これが10円だったりと報酬が発生する場合は両方ともの依頼に市場規範が適用されるため金額が多い方が依頼を受ける人が多くなります。

社会規範・市場規範をサービス開発に取り入れるとしたら

報酬が発生する施策として、口コミしたら〇〇円割引や〇〇円キャッシュバックなどをよく見かけますが、この施策には市場規範が働き、〇〇という作業に対して報酬が見合うかどうかユーザーは判断します。
報酬が十分魅力的な場合は多くの期待する行動、ここでは口コミをしてもらえると思いますが、ユーザーが期待する報酬でない場合は、逆に無料にして社会規範が働くような施策(口コミではなく、お店への応援などのコピーに変更)にした方が良いかもしれません。

これは期待する行動・報酬の魅力・ユーザーの質によって左右されますので、かならずしも市場規範より社会規範を適用した方が良い結果が出るということではありません。
できればABテストで市場規範パターン・社旗規範パターンでユーザーごとにわけて施策が実行できる環境が望ましいと思います。

noteの「カイゼン目安箱」

note カイゼン目安箱
最近見た中で社会規範を適用しているであろう施策は、noteのフッターにある「カイゼン目安箱」のコピーだと思います。
よくこのような機能には、「ご意見・ご要望」、「レビュー」、「口コミ」などのコピーが用いられることが多いのですが、noteでは「カイゼン目安箱」というコピーを採用しており、社会規範が適用されやすいコピーにしていると思われます。

特にnoteはTwitterで改善案をユーザーがツイートすることも多く、ユーザーがサービス改善に対して無償で取り組むような良いサイクルが作られています。ユーザーと一緒にサービスを作り上げている感がかなり強いサービスですね。

まとめ

社旗規範・市場規範は日常のいたるところで適用されます。自分が何か依頼される or 依頼するときはどちらかが働くため、これからどちらが働いて自分は判断しているのかを意識すると面白いと思います。
今回紹介したもの以外にも、面白い情報がのっているので下記本は読んだ方が良いと思います。

予想通りに不合理

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Keisuke Yamashita

新卒CM制作会社でPM→カナダでWEBデザインを勉強→カナダでWEBデベロッパーとして就職→日本で事業会社でデザイナー デザインからフロントエンドを主に担当しています。休日はNetflixを見ながら過ごしています。